発展のためのアドバイス集《29》

お金の連鎖と循環

人はあまりお金のことについては話したがりません。
それは「お金は汚ないもの」、「お金は卑しいもの」といった意識があるからです。
けれどもこの世では、現実的にお金は生きていくために絶対に必要なものです。
お金に果たして罪はあるでしょうか。お金は単なる紙でできた印刷物と金属でしかありません。
もし罪があるとすれば、それを使う人の心の中にあるはずです。
お金をきれいなものとして扱い、きれいな目的で使うならば、お金は全て美しいものに変わります。
お金を尊いものとして扱い、生きたお金として大切に使うならば、多くの人を助け、世の中に貢献してくれます。
お金も目で見える物質でできてますから、使えば使うほど、どんどん減っていきます。
けれども、目に見えないものの一つである『心』を乗っけて使うと、不思議とそれはめぐり巡ってどんどん増えていくようにできています(№27参照)。
大自然の水と同じように連鎖と循環で、自分に必要な分量だけ雨が降るのと同じですね。
今の経済が不景気なのは、この法則を知らないで無闇にお金を使ってきた反動のような気がします。
単なる物として扱い、得たお金を更に増やそうと欲張りになって使えば使うほど失敗するでしょう。
「自分さえ良かれ」と、奪うだけのお金を追求した人や企業は今後どんどん衰退していくでしょう。
欲を乗っけたお金は更なる欲を呼び、強欲という悪連鎖と悪循環にはまってしまうからです。
よくネットワークシステムや成功者育成セミナー等で、「1億円の札束の写真をトイレに貼りなさい」、「ポルシェやベンツの写真を部屋に飾りなさい」…と指導しているところがあります。
これ自体に「良い・悪い」の区別は付けられませんが、目的が不純だった場合は必ず不純な結果が現れるようになります。
不純とは、「自分の本心ではないもの」です。
つまり、本当に自分が希望していない目的を持って頑張ったとしても、それは絶対に叶わないようにできているからです。
万一達成したとしてもそれが一時的なものであったり、それ以上のものを引き換えに失ったりします。
「連鎖と循環」は、自分の持つ希望や目的が、大自然や他の人、家族の人たちが喜ぶような純粋なものであった場合に限って集まり増幅します。
例えばいきなり協力者が現われたり真の情報が与えられたり、新しい縁が生まれたり奇跡が起きたりするのは、そういった作用が働いて必ず叶うようにできているからです。
お金の使い方も不純な思いを乗っけると不純が集まった結果が現われ、純粋な思いを乗っけるとその純粋さが増幅された結果が現れるということですね。
だから私は、お金を支払うどんな時でも、必ず「ありがとう」と一言添えています。
すると、より以上の感謝が戴けます。
そして、ボロボロに酷使されたお金ほど財布に休ませて、そのお金が一番喜ぶだろうと思える場面に使っています。
「また疲れて休みたくなったら、仲間も引き連れて僕のところに戻ってきなさい」と…(不純かな?)。


“生きたお金”を使う天才とは?

Nature(ネイチャー) は、世界で最も権威のある総合学術雑誌のひとつです。
その雑誌で日本人初の現役大学教授の研究論文、『心臓の蘇生実験』が掲載されました。
72時間も経過し、ミイラ化されたラットの心臓を甦らすのに成功した神奈川大学:関邦博教授です。
関教授は『運』の研究においても知られており、当社の教材製作部門で、『運の科学:関帝廟導運王』というタイトルで連載出版させて頂きました(※カラーカタログ「健康通信2010上半期」参照)。
その『運の科学』のコラムに私が寄稿した、『現代版:アリとキリギリス』を下記に記します。
(※参照:「松下幸之助の実践心理術」他より)
『現代版:アリとキリギリス』
今や大企業と呼ばれるA会社に、設立当初から社員だったKさんという方がいました。
ある日、Kさんは独立を決意し自分で会社を興しました。
会社を辞める時、A社長から「何かあったときは応援するよ」と言われました。
好景気の波に乗り、Kさんの独立した会社はどんどん発展していきました。
それをいいことに、Kさんは毎晩豪遊三昧の暮らしをしていました。
ある年、突然のように不景気となり、Kさんの会社は急に資金繰りが悪化し、毎日毎日、銀行や親戚、友人まで借金のために駆けずり回りました。
とうとう行くところもなくなり、以前務めていたA社長に借金をお願いに行きました。
応援を約束してくれたけれども、負けたことを認めたようで戸惑っていたのですが、もうそんなことも言ってられない状況になったからです。
しかし、Aさんから意外な回答をもらいました。
『あんさん、血の小便したことありまっかいな?』・・・
その言葉を聞いて、Kさんはショックと同時に自分の愚かさを悟りました。
その後、Kさんは借金に駆けずり回ることをやめ、当然ながら会社は不渡りとなって倒産し、数ヶ月して小さなアパートに家族と住み、ラーメンの屋台を引くことから始めました。
苦労の末、その屋台の味が評判を生み、弟子を雇って2号店を出すまでになりました。
ある日ふらりと一人の紳士が、そのKさんの屋台を訪れました。
あの時お金を貸してくれなかったA社長です。
Kさんは突然の再会に驚きながらも、「ありがとうございました。あの時お金を借りていたら、もっと取り返しがつかなかった。今は何とか生活できるようになったのは、あの時のA社長のお言葉があって、早目の決断をしたからです」と言って涙汲みました。
A社長は美味しそうにラーメンを食べ終わった後、代金をテーブルの上に置き、帰りに『そうそう、お土産を忘れていた』と言って、無造作に一つの風呂敷包みを渡しました。
アパートに帰って奥さんとその風呂敷包みを開けたら、なんと5年前、借金にお願いしたぴったりの金額が包まれていました。
その中に1枚の紙が挟んでありました。
「応援が遅くなり、大変すいませんでした」
その後Kさんは、再度Aグループに一社員として入り、その中核となってまた独立し、多くのグループ会社の見本となりました・・・。

以上の話は、松下幸之助氏が実際に話された言葉とある社長の体験をミックスした合作ですが、ここで言うAさんの考え方や行動は “生きたお金を使う”ヒントになるかと思います。



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